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- トータルペインと緩和ケア
トータルペインとは?
がん治療ではさまざまな苦痛が患者さまを苛みます。痛みにはおよそ4つの側面があるとされており、それぞれが相互に影響しあってさらなる苦痛を引き起こします。こうした考え方を「トータルペイン(全人的苦痛)」呼びます。
がん治療においては病気の治療だけではなく、患者さまの全人的苦痛を和らげて生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)が損なわれないようにする「緩和ケア」も同時に行います。
痛みの4つの側面
- 身体的苦痛:がんそのものが引き起こす痛み、治療や薬の副作用、など
- 精神的苦痛:がんである事実や治療を進めることへの不安感、気分の落ち込み、など
- 社会的苦痛:いままで通りの仕事ができない、家事・育児に制限が生じる、など
- 霊的(スピリチュアル的)苦痛:これまで人生の意味、自分の存在意義を考え込んでしまう、など
自身のがんを疑いはじめたときから緩和ケアは受けられます
緩和ケアはがんが進行してから受けるものではありません。「がんかもしれない」という不安感、それをケアするところからすでに緩和ケアははじまっています。
がんに関するお悩みは、症状や進行度に関係なく、まずは当院までご相談ください。
当院にはがんの専門医が常勤しています。がん診療についての幅広い見識があり、治療のつらさも十分に理解しています。より患者さまの気持ちに寄り添ったケアが可能です。
がんと向き合っていくために
がんの痛みにはさまざまな側面があり、がん治療にはストレスや不安、恐怖も伴います。とはいえ、そうした「痛み」はそれぞれ解決、あるいは軽減できることがあります。
たとえば、身体の痛みは薬(医療用麻薬)である程度抑えることができますし、仕事や家庭内の問題は周囲の理解をきちんと得ることで解消できることもあります。苦痛に対して適切な治療・サポートを受けることが大切です。
一見がんと関係のないような悩みでも、実はそれががん治療に大きな影響を与えている(受けている)こともあります。不安なことや困ったことがあれば、なんでもご相談ください。
がんでこんな悩みはありませんか?
- 仕事が大切な時期なのにがんと診断された
- 痛くて眠れない、身体を動かすと痛い
- 薬の副作用がつらい
- 憂鬱な気分が続き、趣味すら楽しめない
- 一人暮らしで、助けてくれる家族や友人がいない
- 家事や育児が十分にできず、家族に申し訳ない
- 家族や職場の重荷になっている気がする
- 「どうして私ががんに……」と不公平な感じがする
- 生きている意味が分からない